LSDYNA R11.0 Complete Install版 « ACS NEWS

LSDYNA R11.0 Complete Install版

2018 年 11 月 3 日 by yo yamgatta
前にお知らせしたR11.0ですが、10/31 遂にComplete Install版が出て正式リリースとなりました。
弊社ダウンロードサイト LS-DYNA/R11.0/lsdyna_R11_0_winx64-install.exe
にアップしてあります。

R11.0からの陰解法ソルバ
従来版では、並列(SMP,MPP)共にLsolv=5 しか使用できませんでした。これが結構メモリ使うし、
遅いし、、どうにかしてくれと文句言ってましたが、遂に改良されました。
*contril_implicit_solver において、
Lsolvr=2 : 直接法、並列マルチフロントスパースソルバ(新)
Lsolvr=5 : 廃止。指定した場合、2にリセットされる。
Lsolver=22 ~ 26 : 反復法 それぞれ前処理手法が異なる。

メモリサイズの指定方法も変わりました。
・R10.1 - ユーザが指定したメモリサイズ範囲で解こうとする。足りなければ警告を出して
ディスクを使ったアウト・オブ・コア解法になる。
・R11.0 - ユーザが指定するのは最小限のメモリのみ。解法に必要なメモリはLSDYNAが
      動的に確保する。(メモリ不足の場合は、スワップを使うことになる)

以下にテスト結果を示します。
テスト問題 - Adventure Projectが公開しているパンテオンデータをLSDYNA用に変換して使用
       2M Nodes, .3M Tetra10, Linear Static Analysis.



Lsolv=05(R10.1)と、R11.0新ソルバの性能測定結果です。
使用マシンは、XEON Gold 6134, メモリ192GB, CentOS7.5


注意
(1) Lsolv=05 MPP版が異常に遅い原因
  メモリ不足により、アウトオブコア解法となったため。MPP版はSMP版よりも多くのメモリ必要。
  推測では、400GBのメモリがあればインコアで解析できたはず。
(2) Lsolv=22のデフォルト反復回数、許容誤差は甘い?設定らしく、そのままでは結果が違う。
  反復回数100倍、許容誤差を 1/100 にして実行した結果。
(3) SMP版直接法は、少し遅くなった場合もあるが、メモリ使用量は大幅に削減されている。

推奨するソルバタイプ
・SMP版使用なら、Lsolv=2
・MPP版使用時は、反復回数を大きく、誤差を厳しくして Lsolv=22




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